USopen6日目
テニスの4大大会最終戦・全米オープンは31日(日本時間9月1日)、女子シングルス3回戦で世界ランク1位・大坂なおみ(日清食品)が15歳コリ・ガウフ(米国)を6-3、6-0で破り、16強進出を決めた。地元期待の超新星と大注目の一戦に圧勝したが、試合後の振る舞いが話題を呼んだ。号泣したガウフのもとに歩み酔って慰め、さらに大坂が誘って一緒にインタビューに立った。異例の勝者&敗者のWインタビューを大会公式も「みんな、泣いている」と動画付きで公開し、海外ファンに感動を誘っている。
https://the-ans.jp/news/80989/3/?utm_source=yahoonews&utm_medium=rss&utm_campaign=80989_6
めったに見ることのないシーンだった。試合後、大坂はネット脇を抜け、ガウフのもとに歩み酔った。すると、何事か声をかける。こみ上げる涙を抑えるように頷いた15歳を慰めるような素振りを見せ、続けて行われるオンコートインタビューになんと2人で立った。大坂がガウフに対し、一緒に受けようと誘っていたのだ。
大きな拍手の中で観衆の前に立った2人。先にガウフが答え、最後に「もう一度、ナオミにどうもありがとう。この瞬間を私が彼女から取ろうとしていると思わないでほしい。だって、彼女は本当に勝利に値するのだから。だから、ありがとう」と大坂の計らいと強さを称えるとベンチに下がろうとした。
しかし、大坂はガウフを呼び止めると、がっちりとハグ。会場は割れんばかりの歓声が降り注いだ。かつて同じ練習場で汗を流したこともある2人。続いて答えた大坂は、ガウフの関係者に対する称賛とともに「あなたたちによく会ったことを覚えているわ。泣きたくないのに。ごめんなさい」と思い出を語り、大坂も涙をこぼした。
海外ファンも涙「泣いてしまった」「もう胸がいっぱい」
インタビュアーは「感動的な夜ですね、みなさん」と会場のファンに投げかけ、大坂は「あなたたちは素晴らしい。そしてココ。あなたはアメージングな選手よ」などと述べると、コートサイドで直立して聞き入っていたガウフも涙ながらに拍手を大坂に送っていた。
大会公式ツイッターは「ごまかすことはできない。みんな泣いているよ」とつづり、実際のシーンを公開すると、海外ファンの涙を誘っている。
「なんて品位のあるレディたち。伝説級だ」「素敵な言葉と優しさ、励ましだね」「ナオミは本当に可愛い! ココ、いい試合だったよ」「全米OP最高のシーン」「泣いてないよ、ここが煙たいだけ」「オーマイガー、泣いてしまった!…この若い2選手が大好き!」「テニスの女神!」「もう胸がいっぱい」「テニス界の未来は明るい」などとコメントが相次いだ。
試合は大坂の圧勝となったが、それ以上に試合後の2人の振る舞いは大会の名場面として刻まれた。敗れたガウフの分まで、前回女王の躍進に期待したい。
大坂の試合後会見の主な一問一答は以下の通り。
―ガウフをインタビューに誘ったのはとっさの行動?
「ココ(ガウフの愛称)の手を握ったとき、彼女が少し泣いているように見えたから、とっさの行動だった。彼女がどれだけ若いかを思い出したの。私は負けたらロッカールームで泣いて会見に来るけど、それはすごくいいものではないから(笑い)。彼女が、プレーを見に来て、応援してくれた人に向けて話すのがいいと思った」
―自分と重ね合わせた?
「ココが悲しげにコートから歩き去るのではなく、顔を上げてほしかった。彼女はまだとても若いけど、とりまくメディアはとんでもなく多い。心配なの」
―どんなプレーが印象的だった?
「彼女の一番の長所は動きの速さ。サーブもとても速い。どのように成長するか、ワクワクする」
―ココはどんな子?
「とってもかわいい子。しばらく話をするチャンスがなかったけど、この大会では今までで一番話したわ。この試合があったから、昨日も今日も話してなかったけど…。あと、彼女は本当に賢いと思う」
―試合に集中できていた?
「メインコートでナイターをほとんどしたことがなかったけど、雰囲気は全然違うわね。昼間と夜では観客の雰囲気も違った。誰もがこの試合に夢中だったんじゃないかな。私も彼女がどのようにプレーするかを見たかった」
―ココにアドバイスは?
「アドバイスなんてないわ。みんなの道はそれぞれ違う。彼女が何を経験してきたかを知らないで、アドバイスはできないから」
―声援は気になった?
「正直言って、あまり気にしてないの。プレーしているときは、音が聞こえてない(ほど集中している)」
―次のベンチッチ戦について。
「彼女との試合はいつもとてもやりがいがある。彼女は本当にあきらめないし、戦っている。すごく難しい試合になる」
―将来、ガウフとグランドスラムの決勝で戦うことになるだろうか。
「もちろん、将来何度も対戦するつもり。彼女はとても若いし、きっとそうなる」